詰め物が取れたときの応急処置と受診目安

詰め物が取れたときの応急処置と受診目安

食事中にガリッと硬いものを噛み、「詰め物が取れたかも」と不安になっていませんか。痛みがないと様子を見たくなりますが、外れた歯はむし歯や欠けが進みやすい状態です。まずは取れた詰め物を保管し、歯を清潔にして、早めに歯科医院へご相談ください。当院が、来院までにできることと受診の目安を順番にお伝えします。

目次

まず行う応急処置は3つ:保管・清潔・噛まない

結論からお伝えすると、詰め物が取れたら「取れた物を保管する」「口の中をやさしく清潔にする」「その歯で噛まない」の3つを行い、できるだけ早めに受診を検討してください。

1. 取れた詰め物は捨てずに保管します。ティッシュに包むと誤って捨てやすいため、小さな袋やケースに入れるのがおすすめです。形が合うか、再利用できるかの判断材料になることがあります。ただし、むし歯や変形がある場合は作り直しになることもあります。

2. 口を水で軽くゆすぎ、食べかすを取り除きます。歯ブラシは強くこすらず、いつもの半分くらいの力を意識してください。穴の中に食べ物が入ると、しみる・におう・痛む原因になります。

3. 取れた側では噛まないようにします。例えば右下の奥歯の詰め物が外れた場合、受診までは左側でやわらかい食事をとると安心です。硬いせんべい、氷、ナッツ、キャラメルのような粘着性のある物は避けましょう。

ご家庭の接着剤で戻すことは控えてください。瞬間接着剤などはお口の粘膜を傷つけたり、すき間に細菌を閉じ込めたり、噛み合わせをずらしたりするおそれがあります。見た目は戻ったように見えても、歯に合っていないまま噛むと欠けや痛みにつながることがあります。

もし詰め物を飲み込んだ場合、多くは便と一緒に排出されることが考えられます。ただし、むせ込みが続く、咳が止まらない、胸やお腹に強い違和感がある場合は、医療機関へ相談してください。

受診目安:痛みがなくても1週間以内を目標に

痛みがない場合でも、目安として1週間以内の受診をおすすめします。詰め物が取れた歯は、内部の象牙質というやわらかい層が露出していることがあり、そこからむし歯が進みやすくなります。「痛くない=問題が小さい」とは限りません。

次のような症状がある場合は、当日から翌日を目安に早めにご連絡ください。

  • 冷たい水が強くしみる、またはしみが10秒以上続く
  • 何もしなくてもズキズキ痛む
  • 噛むと痛い、歯が浮いた感じがする
  • 歯ぐきが腫れている、膿のような味がする
  • 歯の角がとがって舌や頬に当たる
  • 前歯など見た目や会話に支障がある

2〜3日以内の受診が望ましいのは、しみる程度は軽いものの食事で気になる場合、または取れた穴に食べ物が毎回つまる場合です。放置期間が長くなるほど、詰め物だけで済んだ歯が、被せ物や神経の治療に進む可能性があります。

数か月そのままにすると、歯が欠ける、むし歯が深くなる、隣の歯や噛み合う歯が少しずつ動くといったリスクがあります。治療の選択肢が狭くなることもあるため、予定が合わない場合でも、まずは電話で状況をお知らせください。

来院までの過ごし方:食事・歯みがき・痛み止めのコツ

受診までの数日間は、取れた歯を刺激しすぎないことが大切です。食事は、うどん、卵料理、豆腐、やわらかいご飯など、噛む力が少なくて済むものを選びましょう。肉の筋、フランスパン、するめ、グミのような食品は、歯に力がかかったり、残った歯質を引っ張ったりすることがあります。

歯みがきは中止せず、やさしく続けます。取れた部分は食べかすが残りやすいため、歯ブラシの毛先を軽く当て、1か所につき5〜10回ほど小さく動かします。デンタルフロスを使う場合は、詰め物が取れた歯の周囲で引っかかることがあります。無理に引き抜かず、横からそっと抜くようにしてください。

痛みがあるときは、市販の痛み止めを使用できる場合があります。持病、妊娠中、授乳中、薬のアレルギー、他の薬を服用中の方は、薬剤師や医師に確認してください。薬は痛みを一時的に和らげるもので、原因を取り除く治療ではありません。痛みが落ち着いても、歯の中でむし歯や炎症が進んでいることがあります。

市販の仮詰め材を使いたい方もいるかもしれません。短時間の保護に役立つことがありますが、すき間ができると汚れが入り、かえって状態を見えにくくする場合があります。使用した場合は、診察時にその旨をお伝えください。強く押し込む、何日も放置する、外れた詰め物を自分で固定することは避けましょう。

歯科医院で確認する4項目と治療の進め方

当院では、詰め物が取れた方に対して、主に4つの点を確認します。1つ目は、歯にむし歯があるか。2つ目は、歯が欠けていないか。3つ目は、神経に近いところまで影響していないか。4つ目は、噛み合わせに無理な力がかかっていないかです。必要に応じてレントゲン撮影や噛み合わせの確認を行います。

取れた詰め物が手元にあり、歯にも詰め物にも大きな問題がない場合、再装着を検討できることがあります。ただし、内側にむし歯がある、詰め物が変形している、すき間が大きい、噛み合わせが合わない場合は、新しく作る選択になることがあります。

治療方法は、保険診療で対応できる範囲と、自由診療の材料を選ぶ場合があります。保険診療では、歯の場所や状態により、金属、歯科用プラスチック、CAD/CAM冠などが検討されます。自由診療ではセラミックなどが選択肢になることがありますが、見た目、強度、削る量、費用、メンテナンス性はそれぞれ異なります。費用に触れる場合は、診察後に目安としてご説明し、状態によって変わることをお伝えします。

治療にはリスクや限界もあります。むし歯が深い場合は、麻酔をして治療しても処置後にしみることがあります。神経に近い場合は、後日痛みが出て根の治療が必要になることがあります。歯にひびが入っている場合、見える範囲だけでは判断が難しく、経過観察や追加処置が必要になることもあります。また、詰め物や被せ物は人工物のため、日々の噛む力や清掃状態によって再び外れたり、欠けたりする可能性があります。

大川歯科医院では、まず不安な点を伺い、今の歯の状態と選択肢をできるだけわかりやすくお伝えします。詰め物が取れたときは、慌てずに保管し、強く噛まず、早めにご相談ください。お口の状態に合わせて、もう一度しっかり噛める状態を目指して一緒に進めていきましょう。

関連動画

動画をYouTubeで見る

よくあるご質問

Q. 詰め物が取れたのに痛くありません。受診は必要ですか?
A. 痛みがなくても、歯の内側でむし歯が進んでいることがあります。取れた部分は汚れが入りやすいため、目安として1週間以内の受診をおすすめします。

Q. 取れた詰め物は持って行ったほうがよいですか?
A. 持参してください。再装着できるか、作り直しが必要かを判断する材料になります。小さな袋やケースに入れ、乾いた状態で保管して問題ありません。

Q. 市販の接着剤で一時的に戻してもよいですか?
A. 家庭用接着剤で戻すことは避けてください。粘膜を傷つける、細菌を閉じ込める、噛み合わせがずれるなどのリスクがあります。

ご予約・ご相談はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次