
ザイゴマインプラント vs オールオン4〜「骨がない」と言われた患者が選ぶべき選択肢
「インプラントできないと言われた」
「骨がないから難しいと聞いた」
「ザイゴマとオールオン4、どちらを選べばいいのか」――。
こうしたご質問をいただくことが多いです。
結論から申し上げます。
その選択肢は、診査後に「より長期で安定する治療法」が自動的に見えてきます。
費用や期間の比較だけでは判断できません。
大切なのは「何を診て、どこまで再構築するか」という視点なのです。
この記事では、群馬県太田市の大川歯科医院 / RESTLUXE DENTARIA の臨床視点から、
ザイゴマインプラントとオールオン4の選択基準を整理します。
多くの患者様が抱える「選択の迷い」の正体
上顎の骨吸収が進行した患者さんが直面する局面で、
歯科医師から「ザイゴマインプラント」と「オールオン4」の2つの選択肢を提示されることがあります。
どちらも「骨がない場合の有効な治療法」として紹介されるため、
患者さんは自然と「どちらが正しい選択か」と迷ってしまいます。
「インプラントできないと言われた」患者の心理
複数の歯科医院を受診して、「骨がないからインプラントは難しい」と言われ続けると、
患者さんの中に「自分の口の中は特殊な状態なのではないか」という不安が生まれます。
その時点で「ザイゴマ」という選択肢が提示されると、「これなら何とかなるかもしれない」と期待が膨らみます。
同時に「本当に大丈夫か」という疑問も湧きます。
この心理状態で「でもオールオン4という方法もある」と聞くと、より混乱が深まるのです。
実は、診査の深さが異なっている
「ザイゴマ or オールオン4」という2択に見えるのは、
医院によって「どこまで診るか」が異なっているからなんです。
きちんと診査すれば、
骨吸収の程度、
全身の状態、
年齢、
人生計画――
こうした情報が全部見えてきて、
自動的に「この患者さんにはこの治療法」という答えが浮かんでくるのです。
ザイゴマインプラントの特徴
頬骨に直接固定する仕組み
頬骨に直接固定する治療法です。
上顎骨が極度に吸収している患者さんを対象に開発されました。
通常のインプラントは上顎骨に埋入されますが、ザイゴマインプラントは頬骨という別の骨を利用します。
頬骨は骨量が豊富で、骨密度も高いため、長期的に安定しやすいのが特徴です。
費用・期間・長期見通し
費用: 200-300万円(上顎片側)
期間: 4-6ヶ月
重要な点: 骨造成が不要
手術は全身麻酔もしくは静脈内鎮静麻酔下で行われ、
治療計画に応じて片側のみまたは両側のインプラント体を埋入します。
メンテナンスを継続した患者さんの臨床経過を見ると、
15年以上の長期安定を達成している症例が多く報告されています。
オールオン4の特徴
4本のインプラントで全歯列を支える
4本のインプラントで、全歯列を支える治療法です。
上顎ないし下顎骨に4本のインプラント体を戦略的に配置して、
その上に固定式の人工歯全体を装着します。
最小限の本数で、全体を支えられる効率的な設計が特徴です。
費用・期間・長期見通し
費用: 150-250万円(上下顎片側) ※骨造成が必要な場合は別途
期間: 3-6ヶ月
重要な点: 上顎骨ないし下顎骨の残存量による
即時荷重の場合は期間が短く、段階的荷重の場合は期間が長くなります。
骨吸収が進んでいない症例では、オールオン4だけで治療が完結します。
20年以上の長期追跡研究では、
適切なメンテナンスを受けた患者さんの成功率は90%以上と報告されています。
選択を分ける「3つの診査軸」
1. 残存骨の量と質
CT撮影で、上顎骨と頬骨の骨量・骨密度が正確に測定されます。
「頬骨が十分か」という診査がザイゴマの適応判定を決めます。
同時に「上顎骨の残存量がオールオン4に足りるか」も判断できます。
2. 患者さんの年齢・体力・全身疾患
50代と70代では、手術への体の負担が大きく異なります。
複数の全身疾患がある場合、治療後の回復経過も変わります。
これは「医学的な治療適応の判定」です。
3. 人生の時間軸
人生の残りの時間をどう過ごしたいか、
という問いです。
10年単位の計画なのか、20年単位の計画なのか。
それによって「何を重視するか」が変わるのです。
費用・期間・安定性の比較
| 項目 | ザイゴマ | オールオン4 |
|---|---|---|
| 費用(上顎) | 200-300万円 | 150-250万円 |
| 期間 | 4-6ヶ月 | 3-6ヶ月 |
| 骨造成 | 不要 | 必要な場合あり |
| 長期成功率(10年) | 90%以上 | 90%以上 |
| 噛む力 | 約70-80% | 約70-80% |
大川歯科医院としての考え方
「どちらが良い治療法か」という問いに、
私たちは「この患者さんにとって、何が最適か」と答えます。
診査によって、自動的に見えてくる答えがあります。
ザイゴマを選ぶ患者さんもいますし、オールオン4を選ぶ患者さんもいます。
時には「今はオールオン4、将来ザイゴマを追加する」という段階的なアプローチもあります。
重要なのは、選択後に来る「10年・20年」です。
定期的な診査、早期の問題発見、柔軟なメンテナンス計画
――これらを通じて、口腔全体の長期安定が実現します。
よくあるご質問
Q1. 骨がないと言われたら、本当にインプラントは無理ですか?
A. そうとは限りません。
「骨がない」という一般的な表現の背景には、診査結果の深さが異なっているだけです。
ザイゴマインプラントやオールオン4など、骨吸収に対応した治療法が複数存在します。
重要なのは、正確な診査に基づいた判定です。
Q2. ザイゴマとオールオン4、どちらの方が長く持ちますか?
A. 「長く持つ」という判断は、メンテナンスの質に大きく依存します。
どちらの治療法でも、3-4ヶ月ごとの定期診査と早期問題対応が欠かせません。
統計的には、両者で大きな成功率の差はありません。
Q3. 手術への不安が強いのですが、それでも選べますか?
A. 患者さんの心身の状態も重要な診査項目です。
段階的なアプローチや麻酔内容の調整など、複数の選択肢があります。
無理に進める必要はありません。
Q4. 治療後、制限が多いのですか?
A. 治療直後(1-2週間)は硬い食べ物は控えますが、骨統合が完了すれば(約4ヶ月後)、
ほぼ通常の生活に戻ります。むしろ総入れ歯より制限は少なくなります。
Q5. 他医院でザイゴマは難しいと言われました。セカンドオピニオンはできますか?
A. もちろんです。
セカンドオピニオンは患者様の権利です。
診査に用いられたCT画像や治療記録があれば、あわせてご持参ください。
客観的な評価が可能になります。
ご相談について
「ザイゴマ or オールオン4」について、
すぐに決断する必要はありません。
現在の状態を整理して、
長期的にどのような選択肢があるのかを一緒に考えるところから始めていただけます。
- 現在の状態の確認をご希望の方
- セカンドオピニオンをお求めの方
- 長期的な治療計画について整理したい方
群馬県太田市の大川歯科医院 / RESTLUXE DENTARIA では、
初回カウンセリングを承っております。
RESTLUXE DENTARIAは、太田駅徒歩圏に位置し、東京・首都圏からのアクセスも可能です。
県外・遠方からのご相談、海外在住の患者様からのご相談もお受けしております。
📞 0276-46-8750(平日9:00〜17:00)
監修者情報
監修: 大川 孝平
RESTLUXE DENTARIA 太田駅前医科歯科クリニック代表 / 大川歯科医院 理事長
東京歯科大学 卒
所属: 医療法人 晴和会
専門領域:
インプラント再治療、全顎的治療計画、咬合再設計、自己血再生医療、骨造成、ザイゴマインプラント、オールオン4
診療スタンス:
部分的な修復ではなく、口腔全体を長期的に安定させる視点から、
再生医療・咬合・全顎治療を組み合わせた診療に取り組んでいる。
主な経験:
- 他院で予後不良となったインプラント症例の再治療
- 再生医療を応用した難症例治療
- 全顎的咬合再構築
- 長期安定を目的とした補綴・咬合管理
主な所属・認定:
- IDIA アメリカインプラント学会 認定医・専門医・指導医
- 日本再生医療学会 正会員
- 日本口腔再生治療協会 理事
- JDA日本歯科医学振興機構 臨床歯科麻酔管理指導医
- 点滴療法研究会 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
- JSOMオーソモレキュラー医学会 正会員
- LEI 国際レーザー学会 レーザー認定医




