
噛むことは脳にどう働くのか|噛む機能と脳のつながりを整理する
「集中力が、以前ほど続かなくなった」
「気づけば、柔らかいものばかり選んで食べている」――。
この二つは、別々の出来事のように見えます。
けれど、無関係ではないかもしれない、と言われたら、どう感じるでしょうか。
あまり知られていないことですが、噛むという行為は、脳の働きと静かに結びついていることが、研究によって示唆されています。
この記事では、群馬県太田市の大川歯科医院 / RESTLUXE DENTARIA の視点から、
噛むことが脳にどう働くのか、そしてそれが「噛む機能」とどうつながるのかを整理します。

噛むことは、脳にとって何をしているのか
噛むという動作を、私たちはふだん意識しません。
しかし脳から見ると、噛むことは単なる「食べ物を砕く作業」ではないようです。
噛む刺激と、脳の血流
噛むとき、あごの周りの筋肉が規則的に動きます。
この動きが、脳への血流に関わっている可能性が、研究で指摘されています。
血流は、脳に酸素と栄養を届ける流れです。
噛むという律動的な運動が、その流れに静かに関わっている ― そう考えられています。
噛むことと、脳の「育つ力」
脳には、神経どうしのつながりを保ち、育てる仕組みがあります。
その仕組みに関わる物質のひとつに、BDNF(脳由来神経栄養因子)と
呼ばれるものがあります。
ここでは「脳の手入れをする物質」と捉えてください。
噛むという刺激が、このBDNFの働きに関わる可能性が研究されています。
ただし、これは研究が進められている途上の分野です。
「噛めば頭が良くなる」といった単純な話ではありません。
分かってきているのは、噛むという日常の運動が、脳の働きと
無関係ではないらしい、ということです。
その入口は、実は口腔にあります
ここまで「噛む」という言葉を使ってきました。
噛むという機能は、あごの筋肉だけで成り立つものではありません。
歯があり、その歯がしっかり噛み合い、左右のバランスが取れている ―
この口腔の状態があってはじめて、噛むという機能は十分に働きます。
つまり、噛むことと脳のつながりを考えるとき、
その出発点にあるのは、口腔の状態です。
歯を失ったり、噛み合わせが崩れたり、片側だけで噛む癖がついたりすると、
噛むという機能そのものが変化していきます。
脳に届くはずの「噛む刺激」も、それに伴って変わっていく可能性があります。
これは「噛む機能」が失われていく話でもあります
ここまでの話は、一般的な健康情報として読み流せるものではありません。
噛む力が衰える、食べられるものが狭まる、片側でしか噛めない ―
これらは、「噛む機能」が少しずつ失われていく過程です。
そして、噛む機能の低下は、ゆっくり進むため、自分では気づきにくいものです。
「柔らかいものを選ぶようになった」という小さな変化は、
その機能の変化を知らせるサインのひとつかもしれません。
噛む機能がいまどの段階にあるかは、
噛む力、歯の状態、歯周組織、噛み合わせ、これまでの治療の経過 ―
これらを実際に評価してはじめて分かります。
一般論ではなく、ご自身の口腔の状態を診ること。
それが、噛む機能と脳のつながりを、自分の問題として考える出発点になります。
失われた噛む機能は、再建できるものです
噛む機能が低下していたとしても、それは「受け入れるしかないもの」ではありません。
失われた歯を補い、噛み合わせを整え、口腔全体の構造を立て直すことで、
噛むという機能を取り戻していく ― これを口腔の再建と捉えています。
大川歯科医院 / RESTLUXE DENTARIA では、噛む機能を、
その場の修理ではなく、長期で機能させる対象として捉えています。
- 診断の精度 ― CT、咬合分析、骨と周囲組織の評価を含めた全顎的診断
- 構造の整え直し ― 咬合、歯列、力学バランスを含めた治療設計
- 長期安定の設計 ― 治療後10年・20年を見据えたメンテナンス体制
噛む機能を取り戻す手段はいくつかあり、
失った歯の数や骨の状態によって、適した方法は異なります。
大切なのは、噛むという機能を、
口腔全体の長期的な安定のなかで設計し直す視点を持つことです。
派手な治療ではなく、構造から整え、長期で機能させる
― それが私達、医療法人晴和会の考え方です。
噛む機能と全身の健康のつながりは口腔の状態と全身の健康はどうつながるかでも整理しています。
あわせて読みたい ― 口と全身をめぐる記事
口と体のつながりを、別の切り口から整理した記事です。
セルフチェック ― 噛む機能について、いちど立ち止まって考えるために
治療を考える前に、まず現状を整理することができます。
次の項目に、当てはまるものがないか確認してみてください。
- 集中力が以前ほど続かないと感じることがある
- 気づくと、柔らかいものを中心に選んで食べている
- 硬いもの、繊維の多いものを避けるようになった
- 左右どちらか片側だけで噛む癖がある
- 歯を失ってから、食事の内容が変わった
- 他院での治療方針に、迷いや疑問がある
3つ以上当てはまる場合、それは単独の歯の問題ではなく、
噛む機能・咬合・口腔全体の状態を含めた評価が必要な状態かもしれません。
このチェックは、何かを決めるためのものではありません。
ご自身の現在地を、静かに確認するための目安としてお使いください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 噛むことと脳の関係は、なぜ歯科医院が扱うのですか?
A. 噛むという機能は、歯・噛み合わせ・口腔全体の状態に支えられています。
噛む機能を診ることは歯科の領域であり、その機能が脳の働きに関わる可能性があるため、歯科の視点から整理しています。
Q2. 噛むと本当に脳に良いのですか?
A. 噛むことと脳の働きの関係は、研究が進められている途上の分野です。
「噛めば頭が良くなる」と断定できる段階ではありません。分かってきているのは、噛むという日常の運動が脳の働きと無関係ではないらしい、ということです。
Q3. 柔らかいものばかり食べていると、噛む機能は衰えますか?
A. 噛む機会が減ると、噛む機能が使われにくくなることはあります。
ただし、柔らかいものを選ぶ背景に、すでに噛みにくさがある場合もあります。どちらが先かを含めて、現状を診ることが大切です。
Q4. 噛む機能が低下しているか、自分で分かりますか?
A. 噛む機能の低下はゆっくり進むため、自分では気づきにくいものです。
「柔らかいものを選ぶようになった」などの小さな変化がサインになります。正確には、噛む力や噛み合わせの診査によって把握できます。
Q5. 相談すると、何をするのですか?
A. まず、現在の噛む機能や口腔の状態を整理するところから始めます。
すぐに治療を決める場ではありません。いまどのような状態で、どのような選択肢があるのかを一緒に確認する時間です。
ご相談について ― 大川歯科医院からのご案内
噛む機能について、すぐに決断する必要はありません。
この記事を読んで、ご自身の噛む機能の現在地が気になった方は、
まず関連する記事で、もう少し具体的に整理することができます。
噛む機能と全身の健康のつながりは口腔の状態と全身の健康はどうつながるか、
噛む機能と健康寿命のつながりは噛むことと認知機能・健康寿命で整理しています。
そのうえで、現在の状態を実際に確認したい方は、初回カウンセリングを承っています。
これは治療を決める場ではなく、
これからの10年・20年を見据えて、現在地を知るための時間です。
- 現在の噛む機能の状態を確認したい方
- セカンドオピニオンをお求めの方
- 長期的な治療計画について整理したい方
群馬県太田市の大川歯科医院 / RESTLUXE DENTARIA では、初回カウンセリングを承っております。
お気軽にご相談ください。
RESTLUXE DENTARIAは太田駅徒歩圏に位置し、東京・首都圏からのアクセスも可能です。県外・遠方からのご相談、海外在住の患者様からのご相談も多くお受けしております。
📞 電話:0276-46-8750(平日9:00〜17:00)
🕐 24時間オンライン予約も受付中
監修者情報
監修: 大川 孝平
RESTLUXE DENTARIA 太田駅前歯科クリニック代表 / 医療法人晴和会 大川歯科医院 理事長
東京歯科大学 卒
所属: 医療法人 晴和会
専門領域:
インプラント再治療、全顎的治療計画、咬合再設計、自己血再生医療、骨造成、ザイゴマインプラント、オールオン4
診療スタンス:
部分的な修復ではなく、口腔全体を長期的に安定させる視点から、再生医療・咬合・全顎治療を組み合わせた診療に取り組んでいる。
主な経験:
- 他院で予後不良となったインプラント症例の再治療
- 再生医療を応用した難症例治療
- 全顎的咬合再構築
- 長期安定を目的とした補綴・咬合管理
主な所属・認定:
- IDIA アメリカインプラント学会 認定医・専門医・指導医
- 日本再生医療学会 正会員
- 日本口腔再生治療協会 理事
- JDA日本歯科医学振興機構 臨床歯科麻酔管理指導医
- 点滴療法研究会 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
- JSOMオーソモレキュラー医学会 オーソモレキュラーニュートリションドクター
- LEI 国際レーザー学会 レーザー認定医




