
今までは、歯を一度失うと入れ歯やブリッジなどの選択肢しかありませんでした。「入れ歯は隣の歯に銀色のバネがかかり目立つ」「ブリッジは隣の歯をたくさん削らないとできない」そんな声も多く聞かれました。
しかし、現在のインプラント医療技術は発展しそれらの問題を解決した新しい治療方法が確率されています。それが人工歯根とも言われる「インプラント」治療です。
チタン製の人工歯根であるインプラントを顎の骨に埋め込み、失ってしまった歯を補う治療方法です。インプラントにより人工歯が固定されますので、入れ歯やブリッジでは得られない、天然歯に近い咀嚼力や外観を回復できるのが特徴です。
では、インプラントはなぜチタン製である必要があるのでしょうか?



過去にも様々な素材(セラミックスやサファイヤなど)や形(板状のものや籠状のものなど)が考案され多くのインプラントメーカーによる特徴を生かしたインプラントが生まれていました。
最初のインプラント技術が発見されたのは、偶然の発見でした。ブローネンマルク博士によるウサギを用いた実験の中で、資料として骨に固定されたチタン製の器具が細胞レベルでくっついていたことから研究が進み、歯科の世界でも「人工歯根」として長い臨床経過を経て新たな治療法としてインプラント治療が確立されました。
しかし、開発初期は多くのメーカーが様々なコンセプトで開発をしていたため、有象無象のインプラントメーカーが台頭し、熾烈なインプラント市場競争が繰り広げられていました。
そして、現代と比較するとまだまだ未熟なマテリアルや治療概念及び術式などが数多く存在し、インプラントの関する医療事故も決して少なくありませんでした。
開発初期から50年以上過ぎた現在では数多く存在していたインプラントメーカーやそれに関連したブランドは淘汰され、インプラントの素材、形、表面の性状など臨床成績とともに改善改良されてきました。
現在では、当たり前の知識や当たり前の術式が昔は全く考えられなかったということも珍しくありません。そして、その逆もしかりです。
例えば、過去にはインプラントの表面には自分の歯つまり天然歯の構造である「歯根膜」といわれる重要な構造が存在するフィブロインテグレーションという概念がありました。
インプラントと骨の間に何らかの結合組織が介在するということです。現在ではその概念ではなく、インプラント表面には骨の細胞の働きにより、しっかりと密着していなければなりません。
また、治療法においてもインプラントを埋めたのち被せ物をするのですが、その際に前後のご自分の歯と連結(繋げる)して被せ物をするという治療法でした。
これは強固に固定するということや、インプラント治療に予知性の高さをまだ見出すことができなかった時代に予後の悪い歯と健康な歯を物理的に繋げることで生存させていたという治療の流れからきていることと推測しますが、現代では決してやってはいけない方法のひとつになっています。



インプラントの診断においても過去には、従来の平面画像であるレントゲン写真に金属の球体を映り込ませ、実際の球体とレントゲン上の球体の直径の誤差の比率を計算し、骨の高さや重要臓器までの距離を計測するという方法が考案され使用されてきましたが、やはり正確性では現代の歯科用三次元診断装置であるCBCTといわれる歯科専用のCTの情報量には到底及びません。



CTデータの3次元構築された顎の状態を正確に把握することは、インプラント治療の成否のみならず偶発的な事故の防止にも大きく寄与します。
CT画像に関してはこちらの動画で説明しております。宜しければご覧ください。YOUTUBE
最初の疑問点に戻りますが、インプラントはなぜチタン製なのか?について
お答えするとするならば、多くの年月と臨床研究の積み重ねの上で「成功率のもっとも高い素材、形、表明性状であるから」という答えが適しているのではないでしょうか。



このように、時代とともに進化を遂げてきたインプラント治療ですが、インプラント歯科医である我々も日々研鑽を重ね、国内のみならず海外での臨床経験や最新技術を吸収し体得し患者様の利益に貢献できるよう精進し続ける必要があると思います。
海外でのインプラント診療について





















こちらは、カンボジアにあるDENRICHE ASIA DENTAL CLINIC・DENRICHE BKK DENTAL CLINICにて、当院理事長の師である川本真先生より依頼を受け、インプラント専門医として現地ドクターやスタッフに日本の高度なインプラント治療技術を指導および現地要人に高度なインプラント治療を提供しています。
インプラント治療について、ご不安な事、ご不明点、セカンドオピニオン(現在の治療計画や治療の進行などについて第三者の医療機関に相談すること)などお気軽にご相談ください。
お昼の時間帯ではありますが「咬み合わせインプラント無料相談」を行っております。当院の理事長が直接応対させていただきますのでお気軽にご利用ください。
お昼の咬み合わせインプラント無料相談
★お電話での受付のみとさせていただきますのでご了承ください★
電話対応可能な時間帯:月火水木金土 午前9時から12時、午後1時から17時
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IDIA アメリカインプラント学会 専門医 指導医



当院の理事長はアメリカインプラント学会 専門医 指導医の資格を有し、世界的にインプラントの権威であるアランガーグ氏より師事を受け、より高度で専門的な技術を駆使し通常のインプラント術式では対応困難なケースも施術を可能にしています。
また、アメリカでは主流になりつつある「インプラントオーバーデンチャー」という新しい分野にも咬み合わせや超精密義歯のスキルを応用することで、不可能を可能にできる治療を提案しています。






インプラントオーバーデンチャー(IOD)
多数歯欠損といわれる多くの歯を失ってしまった方の場合、義歯を使用せずにすべてインプラントと被せ物で治療するインプラントブリッジを応用する治療法があります。この治療方法はインプラントによって歯を失う前の状態に非常に近い形で復元することが可能です。
いわゆる、ALL-on-4やALL-on-6というボーンアンカードブリッジ(インプラントを支えにしたブリッジのこと)とは異なり、義歯を併用し咬み合わせを再現する治療法です。
インプラントブリッジによる治療の場合、かなりのインプラント本数が必要になります。
それに伴い身体的な負担と経済的な負担が大きくなってしまうデメリットがあります。
こちらのインプラントオーバーデンチャーという治療法は、多くの歯を失ってしまった方のほとんどが入れ歯を使用しているという状況のメリットを生かしインプラントと超精密義歯を併用することによって義歯の安定性を極限まで向上し、入れ歯の不安定な咬み合わせを強固に安定した咬み合わせに変えることができます。
また、インプラントの本数も最小限の本数で施術が可能になることから身体的な負担や経済的な負担を少なくできる大きなメリットがあります。
しかし、この治療にもデメリットがあります。
まずは義歯の使用をやめることはできません。
今まで通り義歯のメインテナンスを行わないといけません。
そして長期間義歯を使用していた方の特徴として、顎堤といわれる骨の量が減っている特徴があります。それは結果的にインプラント治療の難易度を上げてしまう要因になっています。
総入れ歯の大きな難点といえば、口を動かすと維持している歯がないため容易に外れて動いてしまうことです。それにより食べ物を咬み切ったり咬み砕いたりすることが困難になることが多く、細かく咀嚼できないま飲み込んでしまいます。
第一の消化器官である口の中での工程が省かれてしまう事によりそれ以降の消化工程である胃や腸への負担がかなり大きくなってしまいます。
その結果、消化器系の疾患も発生しやすくなることは容易に想像できます。
しっかり咬み砕いて咀嚼することは健康増進や認知症予防にも大きく関係しています。
もし、今入れ歯を使用されている方で「しっかりと咬めるようになりたい」とお考えの方は治療の可否も含めてご説明させていただきますので、お気軽にご相談ください。