
こんにちは、大川歯科医院 理事長大川孝平です。
今回は、皆さんお馴染み「虫歯」のお話です。
それでは、以下に目次です。
・また、虫歯になりました。
・治したはずなのに、どうして?
・結局、私たちはどうすりゃいいの?
また、虫歯になりました
「レントゲンを確認させていただきました、どうやら詰め物の下で虫歯になっているようです」
こんな会話聞いたことありますよね?実際、私も今までに何度お話してきたか数え切れません。
私たち歯科医療従事者の最大の敵の一つである「虫歯」
「虫歯」とは専門用語で「う蝕」と言います。
そして、誰でも虫歯と聞くと「私も歯の治療しないと〜」なんて話が出るくらい、メジャーな病気になってます。
どうしてこんなに有名な病気になっているのでしょう?
よく考えたら、小さい子供(会話ができる年齢)からご高齢の方まで共通の話題になるの他にあります?私はあんまり思いつかない。
それくらい、私たちの日常生活に深く入り込んでいる病気。
『虫歯』
これって、感染症だってこと知ってました?
虫歯のバイキンが原因でしょ?って、これを読んでいただいてる方の反応は正解です。
でも、厳密には不正解なんです。
確かに、虫歯のバイキンが原因ですが
『虫歯』になってしまう病気は、原因はバイキンが歯に感染したことです。
もう一度言います。
虫歯になるのは、バイキンによって歯が感染したからです。
原因は、『細菌感染』ということです。これ重要
感染症と聞くと、最近ではコロナウイルスやインフルエンザウイルス、お子さんがいらっしゃるご家庭だとノロウイルスやロタウイルス、手足口病、麻疹、風疹、おたふく風邪などキリがないですね。
これらの感染症は、体内にウイルスが入り込み免疫反応として高熱などの症状が出ます。
次第に、体内でウイルスの駆除が行われ治癒していきます。
では、虫歯が細菌感染症とはどういうことなんでしょう。
治したはずなのに、どうして?
「レントゲンを確認させていただきました、どうやら詰め物の下で虫歯になっているようです」
先ほどの会話ですね。
治したはずの歯が、また虫歯になっている。
不思議ですよね、ちゃんと毎日歯を磨いているし
年に1回くらい、歯医者さんにも通ってチェックしてたのに・・・
このように思う方も少なくないと思います。
そんなあなたに質問です。
いつも何を召し上がってますか?
細かく言うと、いつもどんなものを摂取してますか?もしくは、摂取し続けてますか?
歯ブラシの頻度よりも、何を食べたり飲んだりしているかの方がもっと重要です。
一日3回以上、しっかり歯磨きしてるという方も知っておいた方がいいです。
少し長くなりますが、解説します。
口腔内には、数十億の細菌の数が存在します。
ですが、我々にとって害のある菌は数種類なんです。
細菌はなぜいなくならないのか?
お口の中の細菌を”0”にすることはできません。常に外から入ってくるし、増殖もします。
しかも、私たちの生活スタイルによって知らずに細菌を増やす手助けをしてしまうのです。
そんな細菌にとって都合がいいことなんかしてないよ!!
そうですよね、そうなんです。みんな害のある菌を育てている自覚なんか無いのです。
そこが問題です。
ですから、是非お口の環境をよくするためにもう少しお付き合いください。
まず、細菌が増えるためには私たち人間と同様に”栄養”が必要です。
私たち人間は、細胞分裂をするためにATPというエネルギーを必要とします。
ですから、食事をするわけです。
細菌は何から栄養を取っているかというと、分かりやすく言えば私たちが食べたり飲んだしたものからエネルギ―を得ているというほうがイメージしやすいですよね(厳密には異なります)。
簡単言うと、細菌に”餌”を与えているという事。
細菌にとって一番おいしい餌は”糖質”です。
それも、精製された糖質です。精製されたとは、たとえば”砂糖”、”白米”など加工され余分なものがない純粋に糖質のみの状態。
これが細菌の大好物です。
結局、私たちはどうすればいいの?
歯磨きをしなくてもいいのかというと、そんなことはありません。
しっかり歯磨きするにこしたことはないです。
でも、歯を完璧にきれいな状態を保つことは至難の業です。
我々、プロフェッショナルのクリーニングでも細菌を0%にすることは不可能だからです。
ポイントは、何かを飲んだり食べたりすることで細菌が増えるんだなーと気づくことです。
なるべく細菌が増えにくい物、言い換えると細菌の餌になりにくい物を摂取することが大事です。
それはどんなものか?
糖質以外です。
炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたものを指します。
1日3食、主食は米、パン、麺類は当たり前ですよね。でも、糖質多めですと1日3回の歯磨きが無効化されるくらいに細菌は増えてしまいます。
ですから、細菌が増えにくい食生活(糖質を少なめにする)を心がけることが最も重要です。
ちなみに、小さい時にどんな食生活をしていたかによって、大人になるまでに虫歯や歯周病にかかるリスクをコントロールすることが可能です。
言い換えると、歯医者さんにお世話にならない口腔内を作ることができます。
小学校低学年までに、精製された糖(甘いお菓子や甘い飲み物)や主食となる糖質を摂取しすぎてしまうと、歯にとって害になる菌の量が圧倒的に多くなりしょっちゅう虫歯になりやすい子供になります。
逆に、そのころに精製された糖(いわゆる甘いもの)を極力避けて上げることで害のある細菌が増えにくい環境になり、虫歯になりにくい子供になります。
今回は、虫歯の原因についてお話しさせていただきました。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
自己紹介
医療法人 大川歯科医院 理事長 大川 孝平
群馬県太田市の厚生労働省高度再生医療認定機関である、医療法人大川歯科医院を2009年に開業。難度の高いインプラント治療を得意とし、他院での予後不良の症例を高度な再生医療を応用しリカバリーする。また、噛み合わせ治療の中にボトックス療法を採用し、長年噛み合わせの悩みに苛まれてきている患者様の一助になっている。診療日の昼休みには無料相談も行っており、それから派生したTwitterSpaceでの相談スペースにも取り組んでいる。またStandFMなどの音声配信による情報発信も積極的に行っている。