虫歯のお話タイトル画像

「虫歯」

皆さんは、「虫歯」と聞いてどんな事を想像されますか?

それは、私たち歯科医療従事者の最大の敵であり最もポピュラーな病気です。

・歯が痛くなる

・冷たいもの、温かいものがしみる

・ズキズキ痛い

・キーンという音で歯を削る

想像もしたくないですよね・・・

昔から、虫歯になったら歯を削って治すということは周知の事実だったと思います。

では、虫歯にならないようにするために、皆さんはどんなことを重要視していらっしゃいますか?

歯医者さんで、20分以上歯磨きしなさいと言われたことをしっかりと守っている。

甘いものは虫歯になるから、控えている。

定期的に歯医者さんで、チェックをしてもらっている。

などなど

どれも、正しいと言われていることですね。

ですが、実際のところはどうでしょうか?

20分以上磨きなさいと言われたが、そんな時間はなかなか取れない。

甘いものは控えていたけれど、結局食べてしまう。

定期的に歯医者さんに通っていたが、面倒になってもうしばらく行っていない。

継続することの難しさは誰もが、様々な事象で実感していることだと思います。

ここからお話しすることに皆さん驚くかもしれません。

歯を磨くこと

もちろん大切ですが・・・


お口の中に何を入れているか?

こちらのほうがもっと大切です。


毎日、食事をしたり飲み物を飲んだりしていますよね?

虫歯になるのは、汚れが残っているからではありません。
虫歯になる原因菌がお口の中にいるから虫歯になるのです。

もう一回言います。

虫歯になるのは、虫歯の菌がいるからで汚れが残っているからではありません。

そう、虫歯の菌がお口の中に存在しているのはみなさんご存知ですね。

虫歯の原因菌は1種類しかありません。

もっと多くの種類がいますが、虫歯の原因になる種類は1種類です。
(厳密には、もっと種類がありますが話を単純にするために1種類とします。)

なぜなら、歯を溶かす『酸』を出す菌は1種類だからです。

ストレプトコッカス・ミュータンスと言います。

こいつが酸を出して、歯を溶かします。

ですから、自分自身も酸に強いです。そのうち周りの我々にとって害の少ない菌も酸でやられていなくなってしまいます。

気づけば、酸に強くて酸を吐き出す菌の割合がどんどん多くなります。
例えるなら、治安悪い町と治安の良い町。
皆さんが、生活するのはどちらが住みやすいでしょうか?

一般の人は、治安の良い町を思いますが、もしその街の治安が悪くなったらみんな逃げ出しますよね。そのうち治安の悪い街には誰も寄り付かなくなり、犯罪や暴力が蔓延する町と化すでしょう。

お口の中も、同じで治安の悪いお口の中(先程の酸を出す菌ばかりが存在する状態)は、何をしても虫歯になります。
治しても治しても、次から次へ虫歯が発生します。

いくらお掃除したところで、酸を出す菌が多すぎるため歯が溶かされてしまう速度が自己再生の速度よりも速いためどんどん脱灰という状態が進行してしまいます。

そのため、気づけば虫歯になってしまうという残念な結果になってしまいます。

それでは、一体どのように虫歯の脅威から守っていけばよいのでしょうか?

其の②へ続く。